近藤麻理恵さん著の「人生がときめく片づけの魔法」。
もらい物ばかりが家に溢れ、必要なものはない、という状態をなんとかしたくて、買った本です。
いわゆる物理的な整理収納ノウハウではなく、片づけにおける正しいマインドを身につけて「片づけられる人」になるための方法
と、本で書かれている通り、「即実践できそう!」というよりは、「なるほどそうか!」「そうそう。やっぱりそうだよね」と心で納得して片付けに活かすイメージです。
私にとって、一番役に立った情報は「すべてのモノの定位置を一つ残らず決める」です。
以下、役に立った情報・取り入れたい情報について、詳しく感想を述べます。
近藤麻理恵さんの片づけ方法
「片づけはマインドが9割」と近藤麻理恵さんは書いています。
その通り、読み進めるたびに新しい発見があったり、マインドが改造されていきます。
片付けは祭りであって、毎日するものではない
近藤麻理恵さんの片づけ方法は、まず、「捨てる」ことを終わらせ、一気に、短期に、完璧に、正しく片づけてしまうことが大事としています。
「断捨離」のやましたひでこさんは「場所別」で片づけ方法を紹介していましたが、近藤麻理恵さんは、家にあるモノをすべて一箇所に集め、「モノ別」に片付けることと言っています。
「祭りの片づけ」を終わらせたあとは、それ以降の「使ったモノを定位置に戻す」「新しく増えたモノの定位置を必ず決める」は全く苦労せず、続けることができます。
それだけでいいのか!
「使ったモノを定位置に戻す」ことができないから、部屋が散らかっていくんだな!とグサッと心に刺さりました。
わかってはいるけど、「使ったモノを定位置に戻す」「新しく増えたモノの定位置を必ず決める」ができれば、せっかく片づけた部屋が再び、散らかるなんてことはないのですね。本当にそうなんです。そうなんです!
モノを捨てる前に「理想の暮らし」を考える(P54〜)
「どう片づけるか」を悩んで、それを解決するために、掃除・片づけの本を買ったのですが、「どう暮らしたいか」が先にあるべきなんですよね。
何のために片づけるのか。本末転倒になるところでした。
この本では、具体的に「理想の暮らし」を妄想することが重要と書いていました。
「自分の理想の暮らし」がわかれば、断捨離でいうこところのモノを入手する際の「断」も楽になると思います。
もちろん、「捨てる際」も。
自分がいらないものを家族にあげるのはやめる(P78〜)
もらい物を捨てられない方の紹介がありました。
私自身、もらい物を断ることが苦手です。そして、もらい物を捨てることも苦手。
自分自身はあまりモノを買わないのに、モノにあふれ、でも、必要なモノはない、という状況でした。
断ることも捨てることもしていいのだ、と意識改革できました。
そしてまた、自分が使わなくなったもの、サイズが合わなくなったものを家族にあげたこともあります。
善意を装いながら自分がモノを捨てる罪悪感を、ただ人に押しつけていただけ
この言葉は、とてもグサリと心に刺さります。
モノを捨てる行為には罪悪感が伴います。
それを転嫁していただけ…
なんてことでしょう…大反省です。
なんとなく置いてある「捨てるべきモノたち」(P146〜)
プレゼントの本当の役割って何だと思いますか。
それは「受け取ること」。
お土産物が捨てられない私にとって、この言葉は目から鱗。とても救われました。
プレゼントの送り主からの「贈りたい」という気持ちを受け取れば、それで良いのだ、と。
ところで、誕生日プレゼントは私はモノをもらわないようにしています。
思わずしてもらうものはありがたく頂戴しますが、「誕生日プレゼント何が欲しい?」と聞かれれば、「旅行」「お食事」「食べ物」など体験・消費して終われるものをお願いしています。
モノをいただくことは、時に苦痛です。
過去の思い出よりも今の自分を大切にしよう(P157〜)
思い出のモノや写真を今すぐ整理してしまおうという話。
整理されずに持ち主が亡くなってしまった段ボール箱入りの写真たちを何度も目の当たりにしてきました。
これはとても切ないです。
残された家族は「どれが大事か」「すべて大事なのか」と迷い、それを捨てることができません。
思い切って捨ててしまっても、今度は後悔の念に苛まれるかもしれません。
生きているうちに、自分の身の回りを片づけておきたい、と切に感じました。
家にある「あらゆるモノの定位置」を決める(P172〜)
あらゆるモノの定位置さえ決まれば、使ったあとは定位置に戻すだけで、片づいたおうちをキープできるようになります。
「元に戻す」これができないのです!
これができないから、部屋が散らかってしまうんです!
「定位置を決め、そこに戻す」
これさえできれば、部屋は散らかりません。
新しく増えたモノも「定位置」を決めてあげればいい。
「定位置」がいっぱいになるようなら、それは容量オーバー。
「1 out 1 in」の精神と「モノの定位置を決める」ことができれば、部屋はきれいなまま。
そう思います。
積んではダメ。基本は「立てて収納」する(P190〜)
近藤麻理恵さんは、服はハンガーにかけず、たたんで収納することを推奨していますが、その際、積んではいけない、と言っています。
折りジワは畳むことでつくのではなく、積むことでプレスされてつくのだ、とのこと。
やましたひでこさん監修のビジュアルムック『見てわかる、「断捨離」』でも「自立・自由・自在の法則」として、「モノは立てたり、運びやすく並べたり、丸めたりして、意のまま扱えるようにする」と「モノを立てる」ことを推奨しています。
収納では、「立てる」ことは基本ですね。
包装シールがつくりだす「情報の多さ」を侮ってはいけない(P219〜)
これは商品の包装シールをはがそう、という話。
「モノは少なく片づいているのに居心地が悪い」そういうおうちにレッスンに行った時の話が書かれています。
その「居心地の悪さ」の原因がクローゼットの中の収納ケースの「シール」だった、という話です。
今日着る服を選んでいる間ずっと、「伊予かん」「消臭」と耳元でささやかれているようなものです。
その様子を想像し、思わず、ぷっと吹き出してしまいました。
確かに、日本語で書かれているとその言葉を理解してしまうので、情報として脳にインプットされてしまいます。これが英語ならまだマシなんだろうと思います。
「キッチンの調味料をIKEAのビンに入れ替えておしゃれにしよう!」と頑張って挫折した私が言うのもなんですが、「ラベルがない」というだけで、とても心がウキウキします。
ラベルをはがしてしまうと、調味料や洗剤などは困ってしまうことが多いですから、すべてを剥がすことはできませんが、はがせるラベルははがしてしまうと気持ち良く暮らせるかもしれません。
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以上で、近藤麻理恵さん著の「人生がときめく片づけの魔法」の感想を終わります。
語り口調が女性的な部分と辛口で軽妙な部分があり、女性的な部分が苦手でムズムズするので、全文は読んでいません。
章のタイトルと太字部分のみ読み進め、「自分に必要そうだ」と感じた部分だけ詳しく読み込んでいきました。
著者の近藤麻理恵さんとしては、一気に全部、正しい手順でやらないと、一部分だけ取り入れるだけではリバウンドしますよ、と言いたくなるでしょうが、全てを受け入れたいと思えない拒絶反応はどうしようもありません。何事も合う・合わないがあると思っています。
「自分には合うかもしれない!」と思う方は、ぜひ手にとって読んでみてくださいね。