[秋田県大館市] 矢立峠遊歩道と3つの旧道巡り。天然秋田杉と歴史の道が素晴らしい!

大館市のサテライスオフィス体験事業に参加中、体験事業担当の方に「矢立峠トレッキングコースもオススメですよー」と教えてもらったので行ってきました。

白神・矢立登山道縦走コースというのもあるんですが所要時間が13時間越えるので、矢立峠遊歩道と旧道を巡る散策コース(約1時間30分)を歩くことに。

縦走コース参考ルート
白神・矢立トレッキングコース – 秋田県大館市

散策コース参考ルート
天然秋田スギと歴史の道 矢立峠風景林 | あきた森づくり活動サポートセンター

その日は

  • 矢立遊歩道
  • 古羽州街道
  • 明治新道(旧羽州街道)
  • 旧国道

の4つの道を歩いてきたのですが、それぞれ特徴が違い、おもしろかったです。

矢立遊歩道は杉林が美しくハイキングにぴったりの道、
古羽州街道は道の両脇が盛り上がっていて、
明治新道は馬車道らしく広く平ら。
旧国道は「となりのトトロ」のお父さんが乗っていたバスの通り道のような感じ。

矢立峠遊歩道と旧道を巡る散策コースを写真とともに紹介します。

矢立峠の概要・交通アクセス

秋田県大館市と青森県平川市の県境にある峠。
日本三大美林の一つとして有名な「天然秋田杉」が一部残されていていて、矢立峠風景林として整備されています。

温泉も湧いており、秋田県側では道の駅やたて峠に併設されている「大館矢立ハイツ」で入浴できます。(日景温泉は改装中・矢立温泉赤湯は休業中でした)

近くには「長走風穴」もあるので、そちらもオススメです。

散策コース

天然秋田スギと歴史の道 矢立峠風景林 | あきた森づくり活動サポートセンター」を参考にしました。

矢立遊歩道起点から入り、

  1. 天然スギ広場
  2. 伊能忠敬測量隊記念標
  3. 茶屋峠跡
  4. 一里塚跡
  5. 旧国境・矢立杉跡
  6. 御休所(茶亭跡)
  7. イサペラ・バード記念標
  8. 明治天皇行幸碑跡
  9. 乗合馬車開通記念標
  10. 矢立橋跡
  11. 薬師堂

の史跡を巡りました。

  • 距離:約3.7km
  • 所要時間:約1時間30分

(上記距離・所要時間はYAMAP活動記録から)

私のYAMAP活動記録

矢立峠遊歩道入り口へのアクセス

  • 東北自動車道碇ヶ関ICから国道7号を大館方面へ7分
  • 秋田自動車道大館北ICから国道7号を青森方面へ20分

道の駅「やたて峠」の駐車場横にすぐ遊歩道入り口があります。

地図

案内看板が各史跡そば(番号のついている地点)にあります。
私は、「天然秋田スギと歴史の道 矢立峠風景林 | あきた森づくり活動サポートセンター」のページに案内図のjpgがあるので、そちらをスマホに保存して持って行きました。

天然秋田スギと歴史の道 矢立峠風景林 | あきた森づくり活動サポートセンター

私のYAMAP活動記録

持ち物

虫除けスプレーはしていった方が良いです。
明治新道では、すぐ横が沢のせいもあるのか、小さな虫がぶつかってきます。

矢立峠を歩く!

遊歩道入り口からスタート

道の駅「やたて峠」に到着

道の駅「やたて峠」に到着です。
駐車場はとても広く、トイレも清潔。

すぐ横には温泉宿泊施設「大館矢立ハイツ」が併設されています。

遊歩道入り口はすぐ横です

国道7号線を少し秋田側に行くとすぐに遊歩道入り口です。

本当にすぐそこ。
わかりやすい!

大きな案内看板がありますが、少し傷みがあり見づらいです。
それぞれの史跡(番号のついている地点)に小さな案内看板があります。そちらの方が傷みもなく見やすいです。

さっそく、矢立峠遊歩道へ!

矢立遊歩道

お天気にも恵まれ意気揚々と出発!
まずは1番の天然杉広場へ。

1番:天然杉広場と東屋

スタートしてほどなく、整備された道を登っていくと1番の「天然杉広場」に着きます。

天然の秋田杉なのですが、大きすぎて写真に納まりませんでした。

東屋があります。
ここでお茶をしても気持ちよさそうですね。

杉林の中をハイク!

まずは「矢立遊歩道」を道なりに行きますー。

まっすぐに伸びる杉の中、のんびりハイキング♪

史跡番号2番の伊能忠敬測量隊記念標があるはずなんですが、見逃したのか写真を撮っていませんでした。

「白神矢立展望所」があるのですが、

草木が生い茂ってせっかくの展望を隠してしまっていました。
草の向こう側に山がチラ見えしているのがおわかりいただけるでしょうか。

3番:茶屋峠跡

「茶屋峠跡」に到着です。
江戸時代に茶屋が建てられていたそうな。

吉田松陰がこの地で起きた「相馬大作事件」に感銘して詠んだ漢詩。
この事件は「みちのく忠臣蔵」とも呼ばれているそうです。

さて、ここで遊歩道を離れ、古羽州街道沿いを旧国境へ向かいます。

古羽州街道

古羽州街道も杉林の中ですが、

遊歩道とは違い、道が窪地のようになっています。
なんて表現すれば良いのか、道の両脇が盛り上がっているというか、道の部分が凹んでいるというか。

面白い地形!
「両脇から山賊に挟み撃ちされたらどうしよう!」とか想像して楽しんでいました。

4番:一里塚跡

「一里塚跡」に到着です。

5番:旧国境・矢立杉跡

旧国境です。
秋田領と津軽領の国境だった場所。

ここには「矢立峠」の語源である「矢立杉」の跡も残っています。
昔、ここの杉の木に矢を射って戦の吉凶を占ったそうです。

6番:吉田松陰漢詩碑(御休所・茶亭跡)

青森県側に入りました。

ここにあるのは吉田松陰の詠んだ漢詩の書き下し文かしら。

古羽州街道から明治新道(旧羽州街道)へ

青森県内の古羽州街道をずずっと進むと、

「見返坂」の案内表示がありました。

見返ってみたところ。

見返坂を下ると、矢立橋が見えてきます。
この橋の向こう側が明治新道。

古羽州街道と明治新道はこの矢立橋でつながっています。

明治新道(旧羽州街道)

今度は明治新道を歩きます。
秋田県では明治新道、青森県では旧羽州街道と呼んでいるそうです。

すぐ横に沢が流れています。

沢から出てきたのか、大きなヒキガエルがノッソノッソと歩いていました。

乗合馬車が走っていた明治新道は、とても道幅が広く緩やかで歩きやすかったです。

歩きやすく景観も美しい明治新道。
ちょっとお気に入り。

花も咲き、虫もたくさん。
虫除けスプレーを忘れたことだけ、本当に後悔しています。

こんな木の橋も設置されています。
ずっと残って欲しい道です。

7番:イザベラ・バード記念標

明治新道の中間地点近くには、イギリスの旅行家イザベラ・バードが明治新道を歩いた記念の標が建てられています。
秋田県へ戻ります。

8番:明治天皇行幸碑跡

明治天皇も視察においでになりました。

「明治天皇行幸碑跡」は矢立遊歩道と交わる分岐点になっています。

矢立ハイツ行きや日景神社行きなどの案内表示はあるのですが、旧国道行きの案内表示は見当たりませんでした。
地図と道と案内看板を見比べ、消去法で明治新道の続きを探して再出発!

9番:乗合馬車開通記念標

明治新道を国道7号へ向かうと「乗合馬車開通記念標」が見えてきました。
私もこの道を走る馬車に乗りたいです。

この記念標を過ぎると道は細く勾配も急になります。
馬車に乗るまでの道は結構険しいのですね。

(10番の「矢立橋跡」は見逃したようです。)

明治新道から旧国道へ

この木段を下って一旦谷に下ります。
そして同じような木段を登ると明治新道も終わりが近づきます。

平地に出てきました。

明治新道(旧羽州街道)の入り口。

11番:薬師堂

おそらくあそこに見えているのが薬師堂。
虫除けスプレーを忘れた私たちは、草むらの中を進むことはできません。
遠くから眺めるだけで明治新道を後にします。

旧国道

旧国道へ出ます。

砂利道ですね。

旧国道の途中に古羽州街道への入り口があります。

できたのは昭和かしら?

江戸時代の古羽州街道、明治時代の明治新道(旧羽州街道)、昭和の旧国道(多分昭和だと思っていますが)、と歴代の峠越えの道を通ってきて、

現代の国道7号線に出ます。

ゴール

旧国道から国道7号線に出るとすぐに遊歩道入り口と道の駅が見えてきます。

美しい杉林も天然の秋田杉も楽しめましたが、江戸から明治、昭和、平成と歴代の道も1時間半で巡り楽しむことができました。

帰りは大館矢立ハイツで温泉・ご飯

道の駅「やたて峠」に戻ってきたら、併設されている「大館矢立ハイツ」へ。
鉄分を含む温泉につかり汗を流します。
温泉から矢立峠の杉林も望めて展望も素晴らしかったです。

そして、杉でできた曲げわっぱの器に入った比内地鶏の炊き込みご飯「峠のわっぱめし」をいただいて秋田杉を満喫しました。

温泉の感想はこちら
秋田県大館市の日帰り入浴温泉4つ。元鉱山の町だから温泉が多い!

公式サイト
秋田県大館市|温泉|宿泊|大館矢立ハイツ|立ち寄り湯|お食事


その後、「長走風穴」に寄って帰りたかったのですが、ちょっと疲れちゃったので、陣場駅近くの「のといちミート」で馬肉を買って帰りました。

矢立峠には歴代の峠越えの道があり、どの道も特徴があって面白かったです。
お近くにお寄りの際はぜひ歩いてみてくださいね。

散策コース参考ルート
天然秋田スギと歴史の道 矢立峠風景林 | あきた森づくり活動サポートセンター