[映画感想] カールじいさんの空飛ぶ家:亡き妻との思い出が詰まった家に無数の風船をつけて

2009年公開のディズニーとピクサーのCGアニメ映画です。
ディズニー映画がとても好きで、よく観ているのですが、「カールじいさんの空飛ぶ家」は好きな作品のうちの一つ。

長年連れ添った妻エリーが亡くなり、二人の夢だった南米冒険の旅へ、エリーの思い出が詰まった家に風船をつけて、旅立ったカールじいさん。
でも、家の玄関ポーチには少年ラッセルがいて、二人で大冒険をする、という話です。

何度見ても涙が溢れるくらい素敵な話なのですが、「断捨離」という観点から見ても得るものがあるかと思います。

作品情報

2009年公開。原題は「Up」。

カールじいさんの空飛ぶ家

あらすじ

78歳のおじいさんカールは、亡き妻エリーとの「いつか南米を冒険しよう」という約束を果たすため、一世一代の冒険の旅へ。思い出が詰まった大切な我が家に無数の風船をつけ、家ごと旅立つカール。少年ラッセルら旅の仲間たちとともに、目指すは南米の秘境、伝説の場所、パラダイスの滝!

カールじいさんの空飛ぶ家 (吹替版)

予告動画

感想

以下、映画のラストシーンに関するネタバレがあります。

大事なもののために思い出を捨てる

二人の大事なモノに囲まれた居心地良さそうな家。

元々カールじいさんは、奥さんのエリーとの思い出の品がいっぱいの家ごと、南米へ旅立つのですが、最後、家のモノを次々に捨てていきます。

写真と冒険ブックだけは手元に残していたように思いますが、二人が使っていたお気に入りのソファが、崖の上に並んでいるシーンにはとても胸が打たれます。

少年ラッセルを追おうとするも、風船の浮力が足りず家が浮かなかったから、家財道具をどんどん捨てていっていたんですが、家だけでなくカールじいさん自身も身軽になったようです。

カールじいさんの家には、無駄なガラクタに溢れていたわけではないと思うんです。
どれも大切なモノであり、彼らの生活であったと思うんです。

でも、”今”必要なのは「飛行できる家」であって、ソファも冷蔵庫も家具も思い出の品々も足枷にしかならない。

捨てること・モノを持たないことが美徳、ということではなく、本当に大事なもののために、思い出の品々を捨てることができる。

それが、とても素敵でした。

最終的には家も空の彼方に飛んで行ってしまいますが、カールじいさんは、もう家には執着がありませんでした。

人生が冒険だ

カールじいさんと奥さんエリーは子供の頃に出会い、「冒険クラブ」を結成して遊んでいました。
エリーの夢は、南米を冒険すること。
カールじいさんはいつかそこへ連れて行くことを約束させられます。

その後、結婚した二人は、辛い出来事を乗り越えるきっかけとして、冒険のための貯金を始め、力を合わせて楽しく生きてきたのですが、エリーが亡くなってしまいます。それ以降、頑固じいさんとなってしまったカール。

亡き妻エリーの「冒険ブック」をめくるカールじいさんの目に飛び込んできたのは、二人の結婚写真。
「冒険ブック」には、二人の結婚生活の笑顔の写真がたくさん貼られていて、「新しい冒険を始めて!」というメッセージが書き込まれていました。

カールとエリーの生活こそがエリーの冒険だった──

こんな風に人生を送れたら素敵です。

カールじいさんの空飛ぶ家