登場人物自身がカメラを構え撮影したかのような一人称視点(POV形式・主観ショット)で撮影されたモキュメンタリー映画を4本紹介します。
SF、パニック、ホラー映画ばかりですので、苦手な方はご注意ください。
※ モキュメンタリーとは、ドキュメンタリー風表現手法のことを言います
※ POVとは、Point of View Shotの略で、主観ショットとも訳されます。登場人物の視点から見ているように対象物を撮影方法のことを指します
ブレア・ウィッチ・プロジェクト
1999年公開のアメリカのホラー映画。原題:The Blair Witch Project。
あらすじ
1994年10月21日、映画学科に所属する3人の大学生が伝説の魔女”ブレア・ウィッチ”をテーマにしたドキュメンタリー制作のため、メリーランド州ブラック・ヒルズの森に分け入るがそのまま消息を絶つ。1年後にフィルムビデオが森の中で発見された。。。
レビュー
一人称視点のPOV形式映画の火付け役となった作品です。
学生3人が魔女伝説「ブレア・ウィッチ」を題材にしたドキュメンタリー映画を撮影したが、3人が消息を絶ってしまい、彼らの撮影したフィルムが見つかって、それを映画化したという設定。
3人は何者かに襲われたようなのですが、その何者かは映像に残っていませんので、ホラーですが、それほど怖くはありませんでした。
手ぶれはひどく、冗長な部分もありますが、ドキュメンタリー風ということを考えると当然という気もします。
クローバーフィールド/HAKAISHA
2008年公開のアメリカのパニック映画。原題:Cloverfield。
あらすじ
N.Y.のアパートで日本への転勤が決まった青年ロブの送別パーティーが開かれる。ところが突如、正体不明の“何か”が出現して街を破壊。逃げまどう人々で街中はパニックに陥り、軍隊も出動して戦闘状態に突入する。恋人から助けを求める電話を受けたロブは、友人たちとともに彼女の救出に向かうが…。
レビュー
パーティーの撮影をしている際に、巨大怪獣が襲ってきて、その様子を記録し続けるという設定。
巨大怪獣の姿はあまり映らず、怪獣に蹂躙された街を逃げ惑う人々のパニックが主に描かれています。
恋人を救出に行く一行が、今にも崩れ落ちそうな傾いたビルの中を渡るシーンや、暗闇の地下鉄で小型の怪獣に襲われるシーンなどはスリル満点。
素人撮影設定ですが、飽きることもさせず、最初から最後までハラハラドキドキしっ放しのパニック映画です。
クロニクル
2012年公開のアメリカのSF映画。原題:Chronicle。
あらすじ
主人公の高校生アンドリューは中古のビデオカメラで、自分の日々を記録している。父親は暴力的で、母親は病気、友達もなく、ひとりぼっちだった。
ある日、アンドリューと、いとこのマット、同級生のスティーヴは超能力を手に入れ、楽しく刺激的な毎日を送り、友情を深めていくが、次第に破滅してゆく。
レビュー
主人公のアンドリューが撮影している、という設定。
超能力を手に入れ、ビデオカメラを念力で動かせるようになるため、主観が客観になるところが面白いです。
また、クライマックスでは、他の人々の携帯カメラや監視カメラなどの映像もコラージュされて、迫力ある映像になっています。
REC/レック
2007年公開のスペインのホラー映画。原題:[Rec]。
あらすじ
消防士を密着取材するために、通報があった建物に同行して来たレポーター一行。しかし、そこで見たものは未知の感染症に侵され、凶暴化した人々の姿だった。感染拡大を防ぐために建物は封鎖され、彼らは感染者ごと隔離されてしまう。
レビュー
ゾンビ映画としても分類される映画です。
本職のカメラマンがテレビカメラで撮影している、という設定です。
レポーターの悲鳴や、パニックになる人々、恐ろしい感染者。
まるでそこに自分がいるような、主観的な恐怖を味わえます。
ゾンビ映画でモキュメンタリー映画といえば、REC/レックが有名ですが、「ゾンビ」のロメロ監督も「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」というゾンビ物のモキュメンタリー映画を作っています。
以上で、スリル満点な1人称視点のモキュメンタリー映画4本の紹介を終わります。